あなたはお金を使うとき
「今月はあと〇〇円使える」
ということを考えて使っていますか?
貯金ができる貯金体質になるには
健全な家計を実現することが大切です
今回は一般的に理想の家計と言われる家計を例に
理想の家計について説明していきます
では行きましょう
そもそも理想の家計とは
誤解を恐れずに言うと、「全員に共通する理想の家計」というものは存在しません
ここで言いたいのは、家計に全人類に当てはまる正解など無い、ということです
理想の家計というのはあくまで人それぞれのものなのです
例えば
- 「手取り月収20万円の一人暮らし男性」
- 「手取り月収50万円の子育て夫婦」
の家計は同じものになるでしょうか?
絶対になりませんよね
なので、全員に共通する理想の家計は無いと言ったのです
例で出した二つの家計が異なるのは
単に収入が多い少ないというだけではなく
一人暮らしと子供のいる家族というように家族構成が異なる家計では
必要となる支出やその金額も全然違うためです
しかし、収入に対する支出の割合という値で見ると
家賃や食費、光熱費などの、どの家庭でも共通する支出においては
意外と近い割合であることもあります
もちろんそれぞれの生活で重視するものや必要な支出も異なるため
完全に一致するということはないはずですが
その割合は他の人の家計にもある程度は参考となる
ということが分かります
当たり前のことですが、
一人暮らしの家計において、子育て夫婦の家計バランスでも参考になるというのであれば
もちろん同じ一人暮らしの家計がもっとも参考になるはずです
というわけで、次は実際に一人暮らしの理想的な家計を紹介していきます
一人暮らしの理想の家計バランス
まずは、一般的な手取り16万円の一人暮らし男性の家計を例に紹介します
総務省統計局の家計調査(2020年)の結果から貯金含めた支出が100%になるようにまとめております
以下の表が家計の主な支出とその割合を表しています
一人暮らし(手取り16万円)
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家計内訳 | 理想割合(%) | 金額(円) |
食費 | 18% | 28,800 |
住居費 | 28% | 44,800 |
水道光熱費 | 6% | 9,600 |
通信費 | 6% | 9,600 |
保険料 | 3% | 4,800 |
趣味・娯楽費 | 5% | 8,000 |
被服費 | 3% | 4,800 |
交際費 | 5% | 8,000 |
日用雑費 | 3% | 4,800 |
その他 | 6% | 9,600 |
貯蓄 | 17% | 27,200 |
合計 | 100% | 160,000 |
見てみてどうでしょうか?
それぞれ細かい割合になっており、金額を見てしまうと不足を感じるかもしれませんね
でもぜひ一度自分の実際の支出額を一番右の列に入れてみてください
この表に無い項目(交通費など)はその他ということで考えてみてください
おそらく、服が好きな人はこの被服費の割合では全然足りないと思います
それ以外の項目についても全然足りないということもあると思います
でもまずはそれで良いのです
先に言っておくと、これ通りになっていなくて当たり前です
これはあくまで目安として、一般的にこの程度の割合で使われているというものであり
好きな服が着たいとか、勉強にお金をかけたいとか
それぞれが大事にしたいことがあると思います
そこがこの割合よりオーバーしていることはそこまで大きな問題ではありません
気にして欲しいのは
それ以外でどれだけ抑えられているか、抑える必要があるのか
ということです
例えば、あなたが手取り月収20万円の一人暮らしで
何のこだわりもなく入った保険を毎月10,000円払っているとします
それは手取り月収の5%を占めていることになりますよね
ここで言う理想の割合は3%ですので、2%つまり4,000円オーバーしているということです
何のこだわりも無いものに一般的な人より多くお金を払っていることについて
あなたはどう思いますか?
私だったら「無駄じゃん」と思います
もちろん色々特約とかをこだわってこうなっているのなら良いと思いますが
そうでないならやっぱり無駄ですよね
こういった様に目安(一般的な理想の割合)と比較してどれだけ使っているのか
ということを知ることができるというだけでも
自分の支出を洗い出して、この目安と比較する意味があるのです
自分の支出を洗い出す作業については以下で紹介していますのでそちらをご確認ください
-
参考【貯金初心者】STEP1 まず家計の現状を把握しよう
続きを見る
自分だけの理想の家計バランスを作る
今までの作業で、一般的な家計バランスと自分の現在の家計バランスの違いがわかったと思います
ここからやっと自分の理想の家計バランスを考え始めます
注意ポイント
あくまで一般的な家計を参考にするだけで同じにするわけではない
まずはじめに一番大事な目標設定です
毎月の貯金額の割合を決める
目標が定まっていなければ
貯金割合の設定やどの支出項目を増減するかということが決められません
目標にも色々あると思いますが
とりあえず貯金体質を作って貯金ができるようになりたい人には
貯金の割合を15~20%に設定することをおすすめします
インターネットで貯金の理想的な割合を検索すると
30%程度が推奨されていることがありますが
実際貯金ゼロやこれから貯金を少しずつ増やしていきたいと思って
これから家計を改善していく人にとって
30%の貯金というのは難易度が高すぎます
最初の数か月は良くても
そのうち通常にはない出費が現れ目標の貯金ができないということが起こります
一度バランスを崩した家計は立て直すのが難しく
また崩れてしまい、貯金自体が続かなくなってしまうことがあります
そのため私は貯金の効率よりも実現性と継続性を重視して
貯金の割合を15~20%程度にすることをおすすめします
この数字も適当に言っているわけではありません
年収の半分を貯金するには
私は、まずは貯金を3年間で年収の半分を貯めることを目標にするべき
と思っています
それは怪我で働けなくなったときなどの不測の事態に対応するために必要な最低限の金額が年収の半分だからです
では、3年間で年収の半分の額を貯金するには毎月何%の貯金をすればいいと思いますか?
答えは16.7%です
なぜ16.7%かと言うと
毎月の収入に対して、16.7%を貯め続けていけば
3年後には年収の半分を貯められるという
16.7%の法則が存在するからです
この法則は横山光昭氏の著書やネット記事で紹介されているものです
私はこの法則によって年収の半分を貯金したことがあります
私の体験談
この法則に出会う前の私は、貯金がないことに焦って
毎月の貯金額を35%とかに設定して、結局給料日前に貯金を崩してしまう
ということを繰り返していました
貯金は一度取り崩すと慣れからかどんどん頻繁に何かと理由をつけて引き出してしまいます
そんな意志が弱くと継続力の無い私でも、この法則に従い貯金を続けることで
年収400万円程度の私が3年間で約240万円ためることができました
(なお、ボーナスでは年15万円×2回を貯金していました)
ではなぜ私は貯金の目標を16.7%ではなく、15~20%としているかというと
その割合にこだわってもっと貯金できるのに使ってしまうというのがもったいないからです
余裕がある月は20%まで貯金して、それでも余る分については自由に使う
逆に今月は支出が多いという時も、最低15%は貯金するという
柔軟性のあるルールを採用するのも良いと思っているからです
もちろん素直に16.7%貯金でもOKです
支出の割合を決める
貯金の割合が決まったら次は一気にその他の支出を考えていきます
まず、先ほど一般的な家計バランスとご自身の家計を比較してもらいましたが
その中で毎月の支出の金額を簡単に変えることができない
固定費(住居費、通信費、保険料など)というものから見ていきます
例えば、以下の表のような状況だとします
例)固定費のみ
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家計内訳 | 理想 割合 |
あなたの 割合 |
住居費 | 28% | 32% |
通信費 | 6% | 4% |
保険料 | 3% | 5% |
貯蓄 | 17% | 17% |
小計 | 54% | 58% |
参考
赤字になっている箇所が理想よりも高いもので
青字が理想よりも低いものです
小計が理想よりも4%多くなっていますが、これはすぐには変えられないので
残りの支出でその分をカバーします
注意ポイント
ゆくゆくは保険の見直しや引っ越しなどで固定費を減らすことも考えるべきですね
その他の支出を例として表にしてみたところ以下のようになりました
例)その他支出
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家計内訳 | 理想 割合 |
あなたの 割合 |
食費 | 18% | 20% |
水道光熱費 | 6% | 8% |
趣味・娯楽費 | 5% | 7% |
被服費 | 3% | 8% |
交際費 | 5% | 4% |
日用雑費 | 3% | 2% |
その他 | 6% | 4% |
小計 | 46% | 53% |
小計が53%となっており、先ほどの固定費の小計と合わせると
111%となり、ここから11%減らす必要があります
今更ですが、この家計モデルのイメージとしては
- 手取り月収20万円
- ファッション好き
- 一人暮らし
- 社会人3年目くらい
の人でイメージしています
メモ
皆さん何か趣味やこだわりのあるものに支出が偏ると思いますので、あえてここでは何か1つ(被服費)にお金がかかっている例を出しています
ところで、節約というと食費の話になることって多いですよね
表を見たらわかるように、家賃等の固定費を除いたら
手っ取り早く大きく削れるのってやっぱり食費なんです
だからといって食費を削りすぎたことが原因で
健康を害してしまっては元も子もないですから
ほどほどに節約しましょう
さて、この表のあなたの割合を手取り月収20万円で考えると
食費が4万円になります
それなりに自炊をすれば一人暮らしでも3万円にはおさまると思いますので
食費を20%→15%にします
一気に減りましたが、それでもあと6%も減らさなくてはなりません
先述したとおり、ここではファッションにこだわりのある人の支出をイメージしています
そのため被服費が多くなっていますが
おしゃれも程度を超えるとそれは趣味・娯楽費ですので
趣味・娯楽費と被服費を合わせて何%か考えることにします
趣味・娯楽費が7%、今被服費が8%となっており
我慢するとすればそのどちらかでしょう
今月は服を買って(被服費)、来月は友達と遊んで(娯楽費)
というようにこの2つは毎月どちらかをメインにし
足りない方へ流用する(被服費が足りない時に娯楽費から出す)形にすれば
それぞれの割合を低くすることができますね
残り6%減らしたいので
2つ合わせて15%のところを9%にしなくてはなりません
そうなると内訳は、用途の多い娯楽費を6%とし、被服費を残りの3%とするのが良いでしょう
これで家計は100%に収まったと思います
家計内訳 | 理想
割合 |
あなたの
割合(調整後) |
食費 | 18% | 15% |
住居費 | 28% | 32% |
水道光熱費 | 6% | 8% |
通信費 | 6% | 4% |
保険料 | 3% | 5% |
趣味・娯楽費 | 5% | 6% |
被服費 | 3% | 3% |
交際費 | 5% | 4% |
日用雑費 | 3% | 2% |
その他 | 6% | 4% |
貯蓄 | 17% | 17% |
小計 | 100% | 100% |
後は実践あるのみ
ここまでであなたの理想の家計バランスの表が出来上がったと思います
これ以上は細かく見直すより、実際にやってみてください!
というのも、やってみるとほとんどの人がこの通りに収まら無いからです
今までの作業は「これくらいに収めたい、これくらいなら大丈夫かな」と割合を調整してきました
なので実際に始めてみると全然足りなかったり、余ったりします
細かい部分はその後に調整していけば良いです
いきなり完璧なバランスなんて作れません
致命的なミスが無い限り、まずは2ヶ月間今回作った家計バランスでやってみて
可能な限りそれを守ることを意識して生活してみてください
その中で気になったことを記録しておくと
次に家計バランスを調整するときにより自分に合ったものが作れるでしょう
また、ここで出していない支出の項目も
自分が管理できる範囲でどんどん追加して
より自分らしい家計バランスを追求してみてくださいね
まとめ
今回はSTEP2として、理想の家計と比較して
自分の理想の家計バランスを作る話をしましたが
いかがだったでしょうか?
この理想バランスは、一朝一夕では定まらないとは思います
しかし、自分に合ったバランスを作っていくことが大切です
今後、結婚や子出生、引っ越しなどのライフイベントや収入の増などがある度に
見直さなくてはならないものです
その時々の目標をしっかり意識した上で
自分だけの家計バランスを作り出す必要があります
定期的に見直して貯金体質を維持しましょう!