「え、男性なのに育児休業取ったの?」
その考えは少し古いかもしれません
まだまだ女性には及びませんが、近年男性の育児休業取得率が伸びています
「育児休業したいけど色々不安で…」
その気持ち、すごく分かります!
私自身、育児休業の取得から実際の育児まで、何をしたらいいか分からず不安でした
でも実際にやってみると、すぐにその不安はママと一緒に育児を楽しめるという快感に変わりますよ!
そんな育児休業を20代男性会社員の私が実際に取得した体験談をお話します
育児休業を取得した感想
⇩私の育休中の様子です!
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まず、全体的な感想から話します
育休を取得した感想
結論として、育児休業(以下「育休」)を取得したのは大正解でした!
はじめは、職場で他に育休を取ったことのある男性職員がおらず、本当に取れるのか、取っていいのかと不安でした
しかし、職場の方のサポートもあり、無事に育休の申請ができ、スムーズに仕事の引継ぎもできたときはかなり安堵したのを今でも覚えています
育休中は妻に少しでも楽をしてもらいたいという一心で可能な限りすべての家事・育児に取り組みました
慣れるまでは夜の寝不足と慣れない家事・育児による疲労感が大きく、「このまま1か月やっていけるかな?」とまたしても不安になりました
けれど、私が育休を取らなかったらこの作業のほとんどを、出産後で身体の弱っている妻がやることになっていたかもしれないことを考えると「これくらいでへこたれてなんていられない!」と思えてきました
その結果、2週間も経つ頃には赤ちゃんの一日の生活リズムが決まってきて、合間を見て少しゆっくりする時間も取れるようになってきました
たくさんしゃべりかけて、たくさん写真を撮って、たくさん抱っこして、毎日見ているはずなのにどんどんと成長していく様子を見て、毎日感動していた記憶があります
もし育休を取っていなかったら、その成長を自分の目で感じることもできず、子供が勝手に育っていったと勘違いしていたかもしれないと思います
いま、夫婦仲も良好なまま楽しく育児ができているのは、育休を取って夫婦ともに体験を同じくした結果だと感じています
とはいえ、一般的に育児休業は「育休」と略されますが、実際は「育業」と言うべきであるほど大変なことがいっぱいあります
しかしその分、その時にしかできない経験や子供を自分が育てているという親としての感覚を身に着けることができます
「辛(い)」と「幸(せ)」という字が真逆の意味なのに似ているように、育児もそれらが表裏一体となったものだと感じることができて、育休を取ってほんとによかったなと感じました
(ろき(筆者)/20代男性)
育児休業前のお話
ポイント
- 子出生の2か月前から職場の上司に相談した
- 育休中のお金のことについて調べた
- 育休の1か月前に職場の同僚に話をした
- 妻と育休中の家事・育児の分担について相談
出産の2か月前から職場の上司に相談した
正直、職場にいつ頃報告・相談するかはかなり悩みました
でも遅くても良いことは無いので、出産予定日の約2か月前に「出産予定日」「いつごろ育休を取得したいか」を口頭で報告しました
その時に特に準備をしていたことがあります
「育休取得希望時期の自分の業務を掘り起こし、書き出しておくこと」でした
簡単にワードに箇条書きでまとめるだけでも問題ありません
ただ何の見通しもなく権利だから1か月休みたいと言われても会社側も困ってしまいます
それでも育休自体は取れると思いますが、復帰した後のことも考えなければいけませんよね
職場における人間関係は仕事のしやすさだけでなく、円満な家庭にもつながるためそこは注意しましょう!
育休中のお金のことについて調べた
育休中は基本的に給与は出ません
「え、なんで!?」
と思った方、安心してください
代わりに「育児休業給付金」が支給されます
給付金というだけあって支給するのは国で、具体的には雇用保険から支給されます
所在地管轄のハローワーク(公共職業安定所)が交付するため、給付金の申請先はハローワークです
会社員であればこの給付金の申請も会社がやってくれます(ありがたや)
ちなみに、公務員の方は雇用保険に入っていないため、共済組合から交付されますよ
給付金の細かい説明は厚生労働省のHPを見ていただければと思いますが、簡単に説明します
支給額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業開始から181日目以降は50%)
休業開始時賃金日額は、育休開始前の6か月間の賃金の合計を180日で割って求めます
支給日数は、育休開始日から終了日までの土日祝日を含めた日数になります
そして給付金を考える上で意外と重要なのが、所得税が課税対象外となり、給与でもないため社会保険料も免除となることです
給与とは違い、上の計算式で出てきた金額がそのまま支給されることになります
ただし、住民税は前年の所得に対してかかるものなので支払いが発生してきます
育休中は銀行等の振込用紙で支払うなどしなければいけません
とりあえず完全に無給とならないだけでもありがたいですよね
ただし、支給は少し遅めだということは覚えておいてください
注意ポイント
保険や貸付金の返済など、会社で給与から天引きがされているものについてはどのように支払うか育休前に経理の担当者と相談しておく必要がある
私の場合は、1万円の返済と数千円の保険が天引きとなっていたため、育休前に概算額を預けるか、復帰日に現金で持参するかという選択ができたので、復帰日に持参しました
会社や状況ごとに対応が異なると思いますので、しっかり確認することをおすすめします
育休の1か月前に職場の同僚に話をした
これまた、いつ言うべきかかなり悩みました
私の場合は、育休を子出生から約1か月後に取得する予定だったので、子供が生まれた報告と一緒にどさくさに紛れて育休を取る話もしました
という流れで、おめでたい雰囲気なら何言っても嫌がらないだろう作戦で無事に報告でき、了解も得ることができました(職場のお姉さま方がほんとに優しくて感謝してます)
上司に報告する際に育休中の業務についてもまとめていたので、すぐに業務の分担などを話し合うことができました!
妻と育休中の家事・育児の分担について相談
無事に職場への報告を済ませたので、次は妻と家事・育児の分担について話し合いました
元々、妻が妊娠するまでは、共働きということもあり家事は基本的に折半で「出来る方が出来ることをやる」という感じでした
妻が産休に入るまでは基本的に私が家事を全てやっていましたが、幸い、私は一人暮らしが長かったこともあり基本的な家事には慣れていたので、そこまで苦ではありませんでした
産休に入ってからは妻が無理のない範囲で色々やってくれたので助かりました
そんな我々が改めて育休中の分担について話し合った結果、私が育休に入ってからは「基本的に家事・育児」は私がやることにしました
産後の妻には無理をさせたくないので、私が唯一出来ない授乳だけお願いして、それ以外は基本的に私がメインでやることに
育児休業中のお話
ポイント
- 育児休業であって休業でないという意識をもつ
- 夜のミルクは意外と辛くなかったがげっぷ出しが難しかった
- 栄養が取れる食事を考えた
- お宮参りは後回しにした
- 内祝いを用意した
育児休業であって休みではないという意識をもつ
まず育休に入るときに自分に言い聞かせたことがあります
それは「育休は休業ではあるけども自分が休むためのものではない!」ということ
これを勘違いしてる人、結構いるんじゃないですか?
奥様に対して、自分は仕事を休んで手伝ってあげてるとか考えてませんか?
自分たちの子供ですよね?
自分たちの家ですよね?
育児も家事も元々自分がやらなければいけないもののはずですよね
普段は自分の代わりに奥様がやってくれているということに気づいてください!
なんて偉そうに言ってますが、私も育休について検討する前はそこまで理解してなかったと思います
これは自分の育休中に限らないですよね
むしろ、自分が仕事に復帰した後、奥様はずっと家で子供と2人で過ごすわけですから、育児の考え方としてその時の方がより大事になってくると思います
男性の育休は「子供の一度しかない成長の時期を奥様と一緒に楽しむ時間」であり「育児や家事などの負担について改めて考え直す良い機会」でもありますが、「男性が片手間でちょっとおむつを変えたりミルクあげたりして、他の時間は自分の好きなことをしてダラダラするための休暇」ではない!のです
それを自分に言い聞かせるためにも、初めに妻に向かって同じように宣言しました
夜のミルクは意外と辛くなかったがげっぷ出しが難しかった
赤ちゃんは夜中でも約3時間おきに目が覚めてしまうので、その度にミルクをあげて寝かせてあげる必要があります
我が家も例外なく夜22時にミルクをあげて寝かせても1時に起きて、2時前にやっと寝たと思ったら5時前にはまた泣いて起きるという感じでした
これは育休前からかなり気が重かった、というより起きれるのか心配で不安だったという感じです
しかし、実際に体験してみると思っていたほど苦痛ではありませんでした
赤ちゃんの泣き声で起きるのもそんなに苦ではなかったですし、ミルクをあげさえすればおとなしくなります
ただ、一点大変だったというより気疲れしたのがげっぷ出しです
赤ちゃんは自分でげっぷを出すことができないので、ミルクの後にげっぷ出しをしないといけないのですが、不慣れなげっぷ出しでなかなかげっぷを出させることができませんでした
げっぷが出ないときはミルク後最低20分は寝かせないようにと助産師さんに言われていたので、抱っこの時間が長くなる上、いざ寝かせたとしても吐き戻しの心配もあって、その後もなかなか寝付けませんでした
吐き戻しが詰まって窒息してしまったらどうしよう、などとビビりまくってました
そういった不安は日々の経験と見識のある医師や助産師さんの話を聞くことで少しずつ解消されていきました
やはりこういったことは自分でネットで調べるだけでは不安で仕方ないので、不安なことは病院やサポートセンターなどに電話して聞くのが一番良いと学びました
栄養が取れる食事を心がけた
慣れない育児に時間がかかり、うまくベッドに寝かせることもできず、ずっと抱っこしているときもありました
その分家事の時間がなくなり、洗濯物が溜まってしまうなんてこともありました
しかし、母乳をしっかり出すために妻には栄養のあるものをたくさん食べてほしいと思い、食事だけは毎食しっかり作るようにしていました
そのおかげで母乳の出る量が増えて妻も喜んでいました!
もし私が育休を取らずに働いていた場合、きっと妻は慣れない育児に手いっぱいになり、自分の食事は簡単なものを少し食べるだけになっていたかもしれません
妻の食事をサポートすることができたという点で、特に育休を取った意味があったのではないかと感じています
お宮参りは後回しにした
生後30日を過ぎたころ(男の子なら生後31日~32日目、女の子なら生後32日~33日目)、お宮参りとして参拝することになっています
あくまで正式なしきたりの日程であって、そのとおりにしなければならないものではありません
なので我が家はお宮参りを先延ばしにしました
実際、生後2か月半くらいになってから行きました
理由は2つあります
1つ目は時期です
ちょうどうちの子の生後30日前後の時期と七五三の時期が被ってしまい、お寺も予約が取れないほどに混雑していたからです
わざわざ免疫のほとんど無い母子を人混みに連れ出すことに抵抗があったこともあり、もう少し後でもいいかなと考えました
2つ目は子供の生活リズムです
生後3週間近くは実家に里帰りしていて、私が育休を取得した4週目くらいから家に帰ってきました
そのため、30日ちょっとのころにはまだ1日の生活リズムが整っていなくて、どの時間帯に連れて行くのがベストなのか分かりませんでした
しきたりや親の都合でバタバタとあちこち連れまわすのも可哀そうなので、もう少し落ち着いてから行こうということになりました
結果的に、2か月半頃に連れて行って大正解でした!
人の顔やカメラを目で追い、少し笑うようになっていたのでとてもいい写真が撮れました
機嫌のいい時間帯にお参りできたので親としてもかなり楽でした
内祝いを用意した
夫婦ともに会社の方からお祝いをたくさん頂きました
せっかくお返しするなら喜んでもらえるものが良いなと思い、決めるまでにかなり時間がかかりました
色々と悩んだ結果、お菓子にしました
最初は子供の写真が入った記念品にしようかと思いましたが、「いや逆に自分がもらっても扱いに困るよな」と思ってやめました
また、ネット注文だと熨斗や包装も簡単に頼めてかなり楽でした!
お祝いを頂いた方一人一人の分を用意したので、職場に持っていくときは結構しんどかったです
今はネットギフトのような電子で商品を送れるサービスもありますので、そういった方法を利用するのも手だったかなと若干後悔しているとことではあります
育児休業後のお話
ポイント
- 休業中の業務状況をチェックした
- 子供のお風呂の時間までに帰宅する生活へ
- 育休中の学びが仕事に生きているのを実感した
- より先を見て仕事をするようになった
休業中の業務状況をチェックした
育休が終わり、仕事に復帰しました
仕事の感覚を思い出しながらいつもより多い業務量を処理することになるのでそりゃ忙しくなりますよね
とはいえ、先輩たちが日々の業務をなるべく残さないようにしておいてくれたので想像よりは楽でした
休業中の自分の業務がどのように処理されたかまで1つ1つ確認する余裕はなかったので、初日はやり残しがないか、これから何をしなければいけないのかを中心に確認しました
子供のお風呂の時間までに帰宅する生活へ~
我が家は子供のお風呂の時間を19時に決めています
お風呂に入れるのは私(父)の役割になっていて、目安の19時の前後30分の間に入れればOKという気持ちでやっています
しかし、通勤時間が1時間以上かかっているため、定時に上がっても家に着くのが18時30分過ぎになり、急いでご飯を食べて子供をお風呂に入れるという感じで忙しなくやっています
そんな状況のため、もちろん十分な残業はできません
その分限られた業務時間内に集中して効率よく働くしかないのです
ここで職場で働く子供を持った女性陣の気持ちが少し分かりました
女性陣は、男性陣が頻繁に長いタバコ休憩に行き、そのくせ残業ばかりしているのを非難していました
私は非喫煙者なので女性陣と一緒になって文句を言う立場でしたが、そのときはそこまで不満に思っていませんでした
仕事をちゃんとやってくれるなら何でもいいと思ってました
しかし、限られた時間で仕事をこなさなければいけない状況になって初めて、その気持ちを理解することができました
女性陣は子供を保育園に迎えに行かなければならないので定時で上がるためにも、業務時間内はずっと自分の席に座って集中して仕事をしています
そんな人たちからしたら、自分勝手に休憩して、その分溜まった仕事はゆっくり後でやって、さらには残業代まで貰って、なんてのはほんとに腹立たしいですよね
仕事は時間内にきっちり終わらせるように計画的に先を見て効率よくやっていかなければならないのだなと学びました
これも育休を取ったから、ひいては子供を育てる立場になったから学べたことかなと思います
まとめ:育児休業は男性でも取得するべき!
育児休業は休業という名の仕事です
普段やらない家事を進んでやってみたり、初めての育児で慣れないおむつ替えやお風呂などに挑戦したり
時間や心に余裕がないと男性がなかなかできない育児・家事も、育休という制度を利用することでより参加しやすくなります
一度しかない子供の成長を自分の目で確かめることができますし、その後の夫婦円満のために一番重要な時間を過ごすこともできます
国が男女共同参画を謳っているように、育児も男女で平等に行うべきで、それを可能にするのがこの育児休業という制度です
女性が働ける環境を作る女性目線の話だけではありません
男性も女性のように家事・育児に従事したり、それを通して女性の働き方を理解したり
そういう機会を男性も増やしていかなければなりません
今回の育休の前後を通して、私は身をもってそれを体感しました
「子供のためとはいえど休暇を取るのは他の人に忍びない気持ちがあります」
「みんなが残業しているのに定時で上がることもなんだか申し訳なく感じてしまいます」
「業務時間中に集中して他の人より効率よく業務をこなしているのに、正当に評価されなくても何も言えずに働いています」
これが子育て世代の職員の気持ちです
もちろんこれは一部に過ぎないと思います
私がちょっと育休取っただけで分かることなんてほんのちょっとです
それでもこれらのことを学べたのは大きなことだと感じています
自分の状況が変わったということもありますが、ものの見事に価値観というか考え方が変わりました!
育児休業を取得するか悩んでいるそこの男性の方!
育児に参加するのは辛いことがあるかもしれません
働いていた方が楽だと感じるかもしれません
でもそれは子供を産んだ奥様も一緒です!
初めてでも2回目でも、育児は楽なものじゃないです
子供を産むことを決めたのは夫婦なのに、育てるのが1人なんておかしいですよね
とはいえそんな義務感だけで育児に参加する必要はありません
新しいことに挑戦する気持ちで気軽に育児に参加してください
新しいことにチャレンジすれば絶対に何かを得ることができます
たとえそれが失敗の経験であっても、それは人間性などの形で現れてきます
それは後々きっとあなたのためになります
さて、少し不安を煽るような言い方にはなりましたが、育児は素晴らしいことばかりです
子供を育てているつもりが、自分たちも成長することができるのですから!
子供と一緒に成長していくためにも、「育児は楽しく」を心がけましょう!